うずのなか

はつかのこころのうずのなか

才能がない。

才能がない。

 

まあ、そもそも「才能」とか言ってる時点で見込みがない。このブログの記事名が「○○がない」というのが多いから、そこに揃えたくて言ってみた。実際に才能があるかないかなんてわからんし、そもそも才能というものが存在するのかしないのかすらわからん。あ、運動神経とかはあると思います。なぜなら私は壊滅的に運動ができないので、運動できる人は才能がある人だと思う。音楽とかも。でも、それはやってない人から見てそう思うだけで、やっぱり実際は努力なんだろうなとも思う。

 

それで、何の話かというと、よしもとばななの「キッチン」を読んで、あまりの才能に度肝を抜かれた話である。

どひゃ~~~~~~~~~、何喰ったらこんな文章書けんねん。

読み始めてすぐ、そう思った。それから、こんな文章書けるようになりたいと思った。
ていうか、吉本ばななほど有名な作家の小説を今まで読んでこなかったといのもの、教養がなく恥ずかしいのだが(私は今まで何を読んでいたんだ)、なによりもここにある言葉の光り方に頭を殴られたような気持になった。

ちなみに、私が手に取ったのは角川文庫の『キッチン』で、ほかに「満月」と「ムーンライト・シャドウ」が収録されている。どっちもよかった。それで、今自分の書いてるものを思い出して、なんだがめちゃくちゃ恥ずかしくなった。

検索する。「よしもとばなな」。ふむふむ、64年生まれ。で、「キッチン」書いたのが87年。え、23歳???23歳で書いたの???嘘だと言って。

こういう思考になってしまうあたり、自分の中の「若さ至上主義」的なところと対面してしまい、それもそれで二重三重に苦しい。こんにちは、若さ至上主義。どっかいけ。

なにはともかく、読みながらむくむくと、言葉にならない気持ちがわいた。言葉にならない、というか、単純に嫉妬なんですけどね。

私はこれまで吉田篤弘みたいな小説を書きたいなと思っていたが、そこによしもとばななが加わった。

キッチンで眠るの、なんかいいな。ちなみに私は時々キッチンで文章を書きます。そういえば、村上春樹も「風の歌を聴け」をキッチンで書いたという。妙なつながりを感じながら、とにかく私も書かねばなと思う。才能とか言い出す前に、書け書け。