うずのなか

はつかのこころのうずのなか

どうせ汗をかくなら。

どうせ汗をかくなら、思いっきりかきたい。

朝、むしっと暑いキッチンでカフェオレを飲みながら、ふとそう思った。

梅雨の晴れ間はうれしいが、むっとするような暑さで立っても座っても寝ても起きても汗をかく。肌着は常にじとっとしているし、湿度が高くて水の中を泳いでいる気持ちになる。朝食を済ませた後、昨日のマーマレード煮の煮汁で大根を炊きながら、こういう日に取るべき行動について考える。つまり、むしっと暑くて嫌な日を、最高の一日にするための行動。

思いつき、姉に電話を掛ける。
何回かのコールのあと、「おはよお」と寝起きの声がスマホから響く。
「あんさあ、岩盤浴、いかへん?」

というわけで、姉と岩盤浴に行った。
姉との外出はよい。お互い気を遣う必要がないので、気兼ねなく寛ぐことができる。姉は最近恋人と同棲を初め、実家から少し遠いところに引っ越した。その割には、定期的に実家に顔を出すので、そういうところは少しだけえらいなと思う。今日も、岩盤浴に入りながら母の体調の話をすると、「週に何度か家に帰ろうか」と言った。いまのところ、私は大学院生で時間の調節がしやすくて、家事などもろもろなんとかなっているので大丈夫だと言っておいたが、実家の様子をちゃんと気にしている人がいることはありがたいなと思う。

岩盤浴はゆっくりと汗をかくところが好きだ。最初、うつぶせで内臓を温めるところも好き。じんわりと身体の奥があったまって、自分の内部が冷えていたことに初めて気づく。ほかほかしてきたら、今度は上を向く。ぼんやりと目を閉じてるのか開けてるのかわからないなかで、頭をからっぽに持っていく。寝ているような、寝てないような感じで揺蕩っていると、なにかおっきなものに包まれている感覚を覚える。自分が少しだけ宙に浮いて、ゆらゆらする。

いっぱい汗をかいて、水分をとって、それからお風呂でさっぱりして。そのあと食べる昼ご飯は格別においしかった。

姉が、私の思い付きの提案に付き合ってくれるのは、私が家の事を諸々担っている罪滅ぼしなのかもしれないな、と思う。だとしたら、ちょっと悪いなって気もするけれど、でも姉も気持ちよさそうに汗をかいていたから、いいかなとも思う。次は一緒に夏物の服でも見に行きたい。そろそろセールの時期だ。本格的に夏が始まる。

昼下がりの帰りの車の中で、大学生活最後の夏について思いをはせた。

 

そういえば、短歌を読んでみたらどうですか?といっていただいて、31文字で風景を切り取るのは難しいと思うのだけれど、やったことないことにチャレンジするのも楽しそうだと思うので、少し試み。

すと伸びる蓮のつぼみの桃色に梅雨の香りの甘さを味わう

 

う~~~ん、どうかなぁ。わからん!